留学手記
嵐 弘之
留学先:Stanford University, California
2018年10月より2020年6月まで、加州スタンフォード大学にVisiting assistant professorとしての籍を頂き留学して参りました。年齢的にも最後のチャンスで、数年前から家族を巻き込み、人生における大プランをなし得たのは、ひとえに快く僕を送り出してくださった、女子医大循環器の仲間と家族の協力・支えがあったからです。本当にありがとうございました。カリフォルニアは、4月から11月までは乾季で雨が全くと言って良いほど降りません。湿気がないため夏でも快適です。ジメジメが苦手な僕にとっては、最高の場所でした(女性の肌には良くないそうです)。臨床研究がメインで、時間の使い方は自分次第でした。月曜日・木曜日の朝カンファと水曜日のボスとのミーティング以外はほぼ自由でした。朝大学に行き、午後は早々に引き上げて、大学周囲を散策したり、子供の野球の試合を見に行ったりしました。家族との関わりは大きく変わりました。うんと長い夏休みを取りました。妻と16時を解禁時間と決め、ワインを毎晩・たくさん飲みました・・・。多くの出会いもありました。私が興味を持っていたフィールドに精通し、かつ人格も素晴らしいボスは、私の生涯の師となるでしょう。サンフランシスコ州立大学の生物学の教授と友だちになることができ、毎週サンフランシスコ市内で会い、他愛も無い話から環境問題・文化・政治などの話をしました。はじめはストレスだった英会話も、時間がたつとともに、上達はせずとも、下手でも良いという開き直りと鈍感力が備わり、楽しめるようになりました。
2020年3月、日本に遅れてコロナウイルスが米国内で広がりはじめ、その後はまたたく間に感染者数世界一になりました。当初ボスと予定していた計画に参加できなくなり、帰国前に米国内の旅行を予定していましたが、それどころではありませんでした。先行きが読めない感染状況と、激変した生活様式、留学生という弱い立場に、私達も子供達も不安になる中、朝から晩までずっと家族と一緒に過ごせたことは、唯一幸いでした。正直、何とか帰国できた時はホッとしました。
そんなことがありましたが、自分の仲間には、チャンスが有ればぜひ老若男女を問わず、留学して欲しいと思います。医師・研究者として勉強になるだけでなく、異なる環境で生活を作っていくのはとても楽しくやりがいが有り、達成感を得ることができます。コロナの状況が早く収束して、多くの留学プログラムが元通りになることを願います。
2020年3月、日本に遅れてコロナウイルスが米国内で広がりはじめ、その後はまたたく間に感染者数世界一になりました。当初ボスと予定していた計画に参加できなくなり、帰国前に米国内の旅行を予定していましたが、それどころではありませんでした。先行きが読めない感染状況と、激変した生活様式、留学生という弱い立場に、私達も子供達も不安になる中、朝から晩までずっと家族と一緒に過ごせたことは、唯一幸いでした。正直、何とか帰国できた時はホッとしました。
そんなことがありましたが、自分の仲間には、チャンスが有ればぜひ老若男女を問わず、留学して欲しいと思います。医師・研究者として勉強になるだけでなく、異なる環境で生活を作っていくのはとても楽しくやりがいが有り、達成感を得ることができます。コロナの状況が早く収束して、多くの留学プログラムが元通りになることを願います。
服部英敏
留学先:The UTAH(Utah Transplant Affiliated Hospitals) Cardiac Transplant Program
2019年4月から9月までThe UTAH(Utah Transplant Affiliated Hospitals) Cardiac Transplant Programに留学させていただきました。UTAH cardiac transplant programは4つの病院(University of Utah hospital、 VA hospital、Intermountain medical center、 Primary Children’s hospital)からなる30年以上の歴史があるtransplant programです。心臓移植というと外科の領域のイメージがあるかもしれませんが、移植における内科の関わりや多職種でのチーム医療をアメリカの中でも先進的におこなってきたprogramです。
私の直接のボスはKfoury先生で、もともとはレバノン出身ですが、レバノンの大学を卒業後にアメリカに渡り、以降UTAH transplant program、心臓移植にかかわってきた循環器内科医で非常に優秀な臨床家でした。心臓移植後、ICUに帰室しての数時間はベッドサイドに張り付き、状態を注意深く観察すること、また経験することの重要性を説いていたことは印象深く残っています。研究についても、まだ不明な点が多い抗体関連型拒絶反応についての論文を数多く書いていますが、未解決の問題に対する多面的なアプローチの仕方や物事の本質をとらえることの重要性を学びました。また、プライベートでも非常にお世話になり、メンターと思える方に出会えたことは貴重な財産となっています。
アメリカには心不全/移植のサブスペシャリティー(Advanced Heart Failure and Transplant Cardiology)があり、このprogramでも3人のfellowが1年間かけて重症心不全やVAD、ECMO、Impellaなどの補助循環、移植前後の管理を学んでいました。確立されたprogramで体系的にこの分野の知識や経験を得ることが必要であることを実感しましたが、同時にきめ細かい管理や専門的になりすぎていないことなどの日本の医療の良さも感じました。女子医大は心臓移植実施施設ですが、今後は学んだことを日々の診療に生かし、発展させていければと思います。
私の直接のボスはKfoury先生で、もともとはレバノン出身ですが、レバノンの大学を卒業後にアメリカに渡り、以降UTAH transplant program、心臓移植にかかわってきた循環器内科医で非常に優秀な臨床家でした。心臓移植後、ICUに帰室しての数時間はベッドサイドに張り付き、状態を注意深く観察すること、また経験することの重要性を説いていたことは印象深く残っています。研究についても、まだ不明な点が多い抗体関連型拒絶反応についての論文を数多く書いていますが、未解決の問題に対する多面的なアプローチの仕方や物事の本質をとらえることの重要性を学びました。また、プライベートでも非常にお世話になり、メンターと思える方に出会えたことは貴重な財産となっています。
アメリカには心不全/移植のサブスペシャリティー(Advanced Heart Failure and Transplant Cardiology)があり、このprogramでも3人のfellowが1年間かけて重症心不全やVAD、ECMO、Impellaなどの補助循環、移植前後の管理を学んでいました。確立されたprogramで体系的にこの分野の知識や経験を得ることが必要であることを実感しましたが、同時にきめ細かい管理や専門的になりすぎていないことなどの日本の医療の良さも感じました。女子医大は心臓移植実施施設ですが、今後は学んだことを日々の診療に生かし、発展させていければと思います。
菊池規子
留学先:国立循環器病研究センター 移植医療部 (2017年7月~2018年1月)
私は2017年7月から2018年1月まで国立循環器病研究センター(国循)移植医療部で勉強させていただきました。女子医大では2014年に指導医として帰局して以来、主に心不全・心筋症の診療に携わってきましたが、重症心不全患者において移植登録までは我々循環器内科医が管理しますが、補助人工心臓から心臓移植、その後においては心臓血管外科医に任されることがほとんどでした。自分が補助人工心臓・心臓移植の道をすすめ、その道を選択した患者さんのその先の人生に、もっと責任をもちたい考えるようになりました。2016年に3ヶ月間、女子医大心臓血管外科で勉強させていただき、血行動態管理や薬剤調整、全身管理など、この分野における内科医としてのやりがいを多く知りました。そのような中で国循への国内留学の話があがり、飛びついて行かせていただいた次第です。
国循の移植医療部は、非常に多くの人工心臓・心臓移植治療経験のある施設で、部長以外は循環器内科医から構成されていました。7か月という短い期間でしたが、多くの症例を経験させていただき、内科医としてのかかわり、チーム医療を肌で感じることができました。また国循の先生方との出会いは私にとって大きな刺激になりました。
女子医大にもどってからは、この分野により積極的にかかわるようになり、チーム医療としての内科医の関わりは徐々に確立されてきたかと思います。2019年には心臓血管外科の先生方と心不全サポートチーム(BIND)を立ち上げました。患者さんによりよい医療を提供できるように、引き続き精進していくつもりです。
国循の移植医療部は、非常に多くの人工心臓・心臓移植治療経験のある施設で、部長以外は循環器内科医から構成されていました。7か月という短い期間でしたが、多くの症例を経験させていただき、内科医としてのかかわり、チーム医療を肌で感じることができました。また国循の先生方との出会いは私にとって大きな刺激になりました。
女子医大にもどってからは、この分野により積極的にかかわるようになり、チーム医療としての内科医の関わりは徐々に確立されてきたかと思います。2019年には心臓血管外科の先生方と心不全サポートチーム(BIND)を立ち上げました。患者さんによりよい医療を提供できるように、引き続き精進していくつもりです。
重城健太郎
留学先:St.Elizabeth’s Medical Center, Tufts University, Boston (2005-2007年)
留学先:Feinberg Cardiovascular Research Institute, Northwestern University, Chicago (2007-2009年)
留学先:Feinberg Cardiovascular Research Institute, Northwestern University, Chicago (2007-2009年)
医師歴4年目という極めて早い段階で、再生医療のbasic researchを学びに、アメリカのBostonにあるSt.Elizabeth’s Medical Centerに留学する機会をいただきました。ところが、まだ右も左もわからないまま、1年後にBossがChicagoに異動することになり、帰国するわけにもいかず新天地で再出発することになりました。ラボの立ち上げというとても貴重な体験をすることができ、4年間という長い期間になりましたが仕事をまとめることができました。英語力の向上はもちろんのこと、ScienceやCirculationといったhigh impact journalの査読の機会を頂いたり、世界中にドクターや研究者の仲間ができたりといったおまけが付いてきましたが、一番の収穫は ’something differentを’という自身のメンタリティを獲得できたことだと思っています。これは臨床の現場に戻ったいまも、疾患に対するアプローチの基礎となっています。
Team Regenerates (Figure)
新井光太郎
留学先:Columbia University Medical Center, Division of Cardiology
米国Columbia University Medical Center, Division of Cardiologyの心エコーラボで本間俊一先生のもと、2年間学ばせて頂きました。留学当時のColumbia大学では現在日本でも行われている大動脈弁狭窄に対する経カテーテル的人工弁置換術(TAVI)の臨床試験と今後日本に導入されることが予想される僧帽弁逆流に対する経カテーテル的クリッピング術(Mitra-Clip)の診療試験が進行中でした。いち早くこれらの心エコー図を用いた評価を間近に見ることが出来たことは大変貴重な経験になりました。また他のラボとの交流も盛んであったため、基礎研究の心エコーや、High Intensity Focused Ultrasoundを用いた心筋焼灼の実験などにも携わることが出来ました。留学の2年間を通して、米国の発想の豊かさを感じるとともに日本の医療の良い点もたくさんあることに気付いたことは私にとって貴重な財産であると考えています。是非若い先生方にも国内外を問わず一度外から自分達を見てみることをお勧めします。
芹澤直紀
留学先:国立病院機構岡山医療センター (2011年7月~2012年3月)
国内留学の経験から
(2011年7月~2012年3月、国立病院機構岡山医療センター)
私は東日本大震災の影響が冷めやらぬ2011年7月から2012年3月まで岡山県岡山市にある岡山医療センターに国内留学させていただきました。女子医大では重症心不全や睡眠時無呼吸症の診療に携わっていましたが、心不全は左心系のみで語られることが多く、本来左心と同様に右心系や肺循環は非常に重要なはずですが、分からないことも多く、それに着目した論文もほとんどありませんでした。同時期に重症肺高血圧症例を苦労しながら治療した経験から、右心系や肺循環を理解すれば、重症心不全治療をよりよくできるのではないかと考えていました。海外含めた留学を模索していましたが、そのような観点から血行動態を語れる先生がなかなか見つからず、その頃、肺高血圧症の世界的権威である岡山医療センターの松原広己先生の講演を拝聴する機会があり、純粋に肺循環や右心が悪い症例の臨床や研究に携わりたいと考え、翌年から国内留学させていただきました。
岡山では世の中にこんなに肺高血圧症がいるのかというほど患者さんを診させていただき、また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療も飛躍的に症例数と成績が伸びた時期であり、忙しくも充実したあっという間の1年でした。この経験が女子医大での重症心不全診療にいきていることは言うまでもありませんが、まったくゆかりのない土地で、大学病院から市中病院という仕事環境変化や、医者としても育ってきた環境が全く違う同僚たちとの仕事は新鮮であり、臨床以外でも学ぶことが多く、貴重な経験が得られたと思いますので、留学というのは人間的にも成長する機会かなとも考えます。
当院の臨床研修の特徴として、症例数が多く、且つ重症度も高いため、既存のガイドラインや学術論文だけでは解決できず、多くの臨床的な疑問や問題に遭遇すると思います。当院自体も全国から国内留学を受け入れている施設ではありますが、不足している分野があったとしても、それを学ぶことに専念できるよう配慮していただける理解とマンパワーが当医局にはあると思います。そして、最終的には新たな知見が女子医大に還元されることになり、こういった慣習が、医局全体の向上心に繋がっているものと感じています。
最後に本留学を支持、後押ししていただいた教授、諸先生方に改めて感謝申し上げます。
(2011年7月~2012年3月、国立病院機構岡山医療センター)
私は東日本大震災の影響が冷めやらぬ2011年7月から2012年3月まで岡山県岡山市にある岡山医療センターに国内留学させていただきました。女子医大では重症心不全や睡眠時無呼吸症の診療に携わっていましたが、心不全は左心系のみで語られることが多く、本来左心と同様に右心系や肺循環は非常に重要なはずですが、分からないことも多く、それに着目した論文もほとんどありませんでした。同時期に重症肺高血圧症例を苦労しながら治療した経験から、右心系や肺循環を理解すれば、重症心不全治療をよりよくできるのではないかと考えていました。海外含めた留学を模索していましたが、そのような観点から血行動態を語れる先生がなかなか見つからず、その頃、肺高血圧症の世界的権威である岡山医療センターの松原広己先生の講演を拝聴する機会があり、純粋に肺循環や右心が悪い症例の臨床や研究に携わりたいと考え、翌年から国内留学させていただきました。
岡山では世の中にこんなに肺高血圧症がいるのかというほど患者さんを診させていただき、また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療も飛躍的に症例数と成績が伸びた時期であり、忙しくも充実したあっという間の1年でした。この経験が女子医大での重症心不全診療にいきていることは言うまでもありませんが、まったくゆかりのない土地で、大学病院から市中病院という仕事環境変化や、医者としても育ってきた環境が全く違う同僚たちとの仕事は新鮮であり、臨床以外でも学ぶことが多く、貴重な経験が得られたと思いますので、留学というのは人間的にも成長する機会かなとも考えます。
当院の臨床研修の特徴として、症例数が多く、且つ重症度も高いため、既存のガイドラインや学術論文だけでは解決できず、多くの臨床的な疑問や問題に遭遇すると思います。当院自体も全国から国内留学を受け入れている施設ではありますが、不足している分野があったとしても、それを学ぶことに専念できるよう配慮していただける理解とマンパワーが当医局にはあると思います。そして、最終的には新たな知見が女子医大に還元されることになり、こういった慣習が、医局全体の向上心に繋がっているものと感じています。
最後に本留学を支持、後押ししていただいた教授、諸先生方に改めて感謝申し上げます。
吉澤佐恵子
留学先:Columbia University, Department of Pathology and Cell Biology (アメリカ)
アメリカのColumbia University, Department of Pathology and Cell Biologyにて、心血管病理ご専門のProf.Marboeのもと、約2年間学ばせて頂きました。心移植後拒絶反応の病理診断を学ぶことが留学の目的でしたが、同病院では年間約80例の心移植を行っており、約3000例の病理診断に携わる貴重な機会を得ました。また、臨床病理学的研究を行い、その成果をいくつかの論文にまとめることができました。女子医大は心臓移植実施施設であり、留学で得た知識や経験、人脈が、現在の診療にも大いに生かされています。
東京女子医科大学 循環器内科 医局長 春木 伸太郎
| TEL | 03-3353-8111(内線23110) |
|---|---|
| FAX | 03-3356-0441 |
| meditop.au@twmu.ac.jp | |
| 所在地 | 東京都新宿区河田町8-1 |
見学、ご相談は随時行っております。当科での後期臨床研修を考えておられる先生方は是非ご連絡ください。